電動工具
1 慣らし運転 (新品状態) あまり聞かないことだと思いますが本来の性能を引き出し寿命を延ばすためには かなり有効となります。 方法 軽い負荷をかけ熱をもたさないような作業を短時間に分け行い 少しずつ本来の負荷使用温度に近づける。軽い負荷をかける理由は機械を過回転状態にしないため 熱を持たさないのは本来の使用時の温度に機械をゆっくりと慣らしていくためです。こうすることにより 使用初期に出る熱による金属の変形の緩和 およびブラシ ギヤ同士のなじみなどを滑らかに行う為です。慣らしをした機械はパワーおよび熱に対する耐久性が向上します。ブラシ交換のあと行うのも効果的です。大切なのは最初から大きな負荷熱を伴うような仕事をしないということです。 2 使用方法(機械本来の性能を最大限発揮させるために) 無負荷回転より少し回転数が落ちるあたりが機械の最高効率点です。 そのような作業を心がける そのためには よく切れる刃物を使う 押す力を 機械の作業スピードに合わせる 熱を伴うような長時間運転をさける 以上の条件で作業効率は最高になるはずです。
3 悪循環に陥りやすい作業例 ドリルだとすると 切れない刃を使っている 速く作業したい つい力を入れる 機械が熱を持ち電気的抵抗が増え力が減り熱のダメージを受ける さらに母材とドリルの摩擦により母材に焼きが入り ますます切れなくなる。このことは砥石を使った高速切断機にも良く起こります。 気温にもよりますが大きな熱を伴うような長時間運転を繰り返す。 4 故障 異常例 ブラシの減りが速い(この状態だと力も落ちているはず) 寿命または 過負荷 熱などが原因でアマチュア(回転子)のブラシのあたる面(コンミテーター)が荒れていることが考えられます。軽度であればコンミテーター研磨 重度であればアマチュア交換となります。合わせてベアリングの破損の為ブレが大きくなっているとも考えられます。 すぐ熱を持つ 力が落ちる 気温の高いとき熱を持つことはダメージにはなりますが ある程度仕方のないことです。しかし気温が低く短時間でも熱をもつ場合 アマチュア ステーターなどが寿命または 熱などのダメージ(絶縁不良など)を受けていることが考えられます。軽度であれば絶縁処理などですみますが 重度だとやはり交換になります。 スイッチがすぐ壊れる 知らないうちに断線する。 くせで 作業の合間にスイッチを入切する またしっかり握ってない ちゃんとスイッチが最後まで入ってない スイッチも接点なので回数および接触不良による熱で磨耗します。カラ回しも機械の過回転を招きダメージを与えます。なにもしないのに断線するという時は線の上に鉄骨などが落ちたと考えられます。外見は何ともないのに芯線だけが切れているということが時々あります。(真空切り?) 不快音 ギヤ ベアリング などの回転接触部品の 磨耗 破損 過負荷 過回転 グリス不足でも起こります 5 定期的メンテナンス 上記異常例のどれかが少しでも感じられた時がメンテナンスのタイミングだと思います。 実際は異常を感じる直前が1番いいのですが難しいのでこのタイミングが良いでしょう。 また 異常が小さければ小さいほど修理も短時間で安価にすみます。 メンテナンス例 グリス交換 内部洗浄(埃 ブラシ粉 などの除去) コンミ研磨 コード スイッチ ベアリング ブラシ などの耐久消耗部品の交換 このような作業が通常オーバーホールと呼ばれます。 6 総論 電動工具においては熱によるダメージが中心となります。しかし結露も溜まった埃やブラシ粉などに染み込み 絶縁不良グリスの劣化などを起こします。絶縁不良においてはアマチュアの焼けなど致命的なダメージにつながることもあります。やはり熱を持たせない使い方 結露させない保管場所の選びかたなどが 機械を長持ちさせる条件となります。
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